「絵本って、本当に必要なの?」
子どもが小さいうちに絵本を読むのって、なんとなく“やったほうがいい”って思いますよね。でも、実際のところ「本当に意味あるの?」「うちの子、ちゃんと聞いてくれないしな…」なんて思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
でも、「絵本じかん」は、子どもの心を育てたり、親子の時間を特別なものにしてくれたり、実はたくさんの“いいこと”が詰まっています。
今回は、そんな「絵本が親子にくれるもの」について、私自身の体験も交えながら3つの視点でご紹介していきます。
1. 親子でおうち時間を楽しめる
忙しい毎日のなかで、親子の時間をゆっくりと過ごすのは意外と難しいものです。
そんなとき、絵本はおうち時間を特別なひとときに変えてくれます。読み聞かせの時間は、ただ言葉を読み上げるだけではなく、子どもの表情を見たり、問いかけに答えたりしながら、心と心を通わせる大切な時間になります。
テレビやスマホから少し離れて、ひざの上に座る子どもに絵本を読み聞かせる時間は、まるでふたりだけの物語の世界に一緒に旅をしているような感覚です。ページをめくるたびに驚いたり笑ったり、子どもの小さな反応をすぐそばで感じながら、ゆっくりと心が通い合うこの時間は、親にとっても子どもにとっても安心できる特別なひとときになります。
2. いろいろな価値観や学びに出会える
絵本の魅力のひとつは、多様な世界観や考え方に触れられることです。動物や自然の話、冒険や友情、命や思いやりなど、物語を通じて子どもはさまざまなことを感じ、学んでいきます。
特に幼児期は、言葉を吸収する力がとても高い時期です。
絵本に出てくる「わんわん」「ぶーぶー」といった擬音語は発音の練習にもなり、音の響きを楽しみながら自然に言葉を覚えていきます。
また、日常では経験できないような場面を絵本の中で体験することで、想像力、共感力、道徳心も育まれます。私たち大人が読んでも「こんな視点があるんだ」と驚かされることがあり、親子で一緒に考えたり、感じたりできるのも絵本ならではの魅力です。
知識だけでなく、感情や価値観に働きかけてくれる絵本は、子どもの成長にとってとても大切な存在だと思います。
3. 親子の思い出を「かたち」に残せる
絵本は、幼少期に読み終えたら終わりではありません。ふと本棚を見たときに、「この絵本、小さいころ何度も読んだよね」と親子で思い出を語り合うことができます。
表紙が色あせていたり、ページに折り目がついていたりするのも、それだけたくさん読んだ証。それらの小さな傷ひとつひとつを、絵本という“かたち”で残すことができます。
私自身、幼少期に母に読んでもらった絵本は、今でも実家の本棚に大切に保管されています。
ある日母に、「この絵本、娘に読みたいから借りていい?」と聞くと
「それはダメ、思い出の品やから。でもその代わり新しい絵本を買ってあげる。この子にはこの子の思い出を作ってあげて」と言われました。
その言葉を聞いたとき、私は母の愛情を感じると同時に、絵本が持つかけがえのない価値に改めて気づかされました。
ページを開くたびに、親から子へ、そしてそのまた子へと受け継がれていく絵本。子どもが成長し、親世代になったときに、「あのとき、母に読んでもらったな」と感じられる絵本は、親子の絆を確認させてくれる存在になります。
まとめ
絵本は、子どもの成長を助ける「学びの道具」であると同時に、親子が心を通わせるための「コミュニケーションの架け橋」でもあります。そして何より、読み聞かせの時間は、親子で過ごす何気ない日常を、かけがえのない思い出へと変えてくれる特別なひとときです。
今日読んだ1冊が、何年経っても心に残り続ける…
そんな絵本との出会いを、大切にしていきたいですね。
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